【愛おしき猫の肖像-時の封印ー紡ぐ物語】より
【千夜一夜の来訪者ー踊り子の肖像】です。
こちらはブローチです。
踊り子ですので、額飾りと面紗(ベール)をしています。
額飾りと面紗の白い小さな石はムーンストーン。
ワイヤーワークで私がすべて作っています。
一から手作りのフルカスタムになります。
世界に一つだけ、真の一点物です。
尚、面紗は脱着できます(額飾りは固定)
瞳は、天然の琥珀(アンバー)を砕いて粒子状にし、ラメパウダーとブレンドし、瞳にセットしています(レジンでしっかり固めています)
シャンパンカラーの淡いゴールドブロンズ風の仕上げにしています。
(クリームカメオのペルシャ猫さんをイメージしていますが、ブロンズ像風ですので、毛色はご想像にお任せします^^)
ペルシャ猫のふわふわの毛の感じ、「ホイップ感」がでるように粘土で作っています。
通常、こういった粘土や金属では、長毛の猫さんは線を引いて長い毛を表現されますが、それだと質感は「サラサラ」です。
そこで、粘土を盛り付けることで、空気をたっぷり含んだペルシャ猫の柔らかくてボリューミーな毛の感じを出しました。
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砂漠の奥深くにその猫はいた。
彼女は「ムーンライト」と呼ばれるペルニャ王国随一の踊り子である。
彼女の舞を見た者は不老不死の力を得ると噂され、
多くの猫たちがその舞を見るために過酷な砂漠の旅へと向かいます。
王族も貴族も、船乗りも”やかん屋”も。
旅猫たちは、昼夜で姿を変える砂丘、過酷な気候、幻惑といった幾多の困難を乗り越え、星を道しるべにムーンライトのもとを目指しました。
彼らが辿り着いた夜の砂漠には。
この世の物とは思えないほど幻想的で美しい光景が眼前に広がっていました。
月明かりに照らされた砂がキラキラと反射し、空から降り注ぐ星と共に、辺り一帯が無数の光に包まれ、
その中心に、月明かりの色をした長い毛の猫が背中を向けて立っていた。
「ムーンライト!」
「ムーンライト!」
「ムーンライトだ!」
王族も貴族も、船乗りもやかん屋も、ムーンライトへのお土産を手に、我先にと彼女に向かって砂の上を駆け出した。
ムーンライトはゆっくりと右の手をひらりとあげ、振り向いた。
自分の元へと走り寄る一行を見る彼女の顔にはベールがあった。
ベールから覗くその瞳は月の光のように淡い金色で、彼女の額の鎖で描かれた星の軌跡と共に、彼女を美しく彩っていた。
一行の足が止まった。
彼女に見つめられた瞬間、誰もが足を止めてしまったのだった。
いや、動けなくなったのだ。
その時、ヒューと風が吹いた。
風はムーンライトのベールをふわりと浮かす。
彼女の素顔が覗いた!
とおもう間もなく、砂を巻き上げた風が彼女の顔だけではなくその姿をまるごど覆い隠してしまった。
ムーンライトが消えてしまったのではないかと、誰もが思った。
それくらい吹き付ける風の音だけが漂う静寂の中で、一行は自分の鼓動だけを激しく感じていた。
星が流れた。
瞬間。
風がやみ、彼らの目の前にムーンライトが再び現れた。
ふわりふわりと全身を揺らし、くるりくるりと緩やかに舞いながら、
こちらへと近づいてくる。
まるで全身が発光してるかのように、月光を浴びて舞う彼女は美しかった。
口元を覆い隠すベール、その上で輝く金色の瞳、額飾りがしゃらりと言いながら、彼女の柔らかい毛を撫でる。腰を揺らしてステップを踏む、かすかな砂音をたてて。
誰もが、まるで吸い寄せられるように彼女を見つめ続け、呆けたように動かなかった。
彼らの目には、彼女の額で輝く鎖の額飾りと月光色の瞳が、宇宙そのものを映し出しているように見えていた。
旅猫たちの頬は、いつの間にか涙で濡れていた。
ムーンライトを見るためだけに砂漠の奥深くへの旅を決め、幾多もの困難を乗り越えた彼ら。
王族は生まれて初めてといってもいい食べるための苦労をした。貴族もまたしかり。
「飢え」を知ったのだ。
星読みに自信をもっていた船乗りは、知識の限界を知った。
そして、やかん屋は、お手製のやかんにたっぷりの水を入れて意気揚々と出発したが、灼熱の砂漠の長旅には自分の店のやかんが小さすぎることを知ったのである。
ムーンライトクリームの舞を見たものは不老不死を得るという。
それは肉体が老いることなく永遠の命を得るという物質的な不老不死ではなく、限りある生を永遠化するということは、限界を知ることで瞬間を全力で駆け抜ける力を得ること、それこそが純粋にして不滅の「生」なのだと、彼らが知った瞬間だった。
・・・一行が去って数日後。
ムーンライトは、砂漠の奥深くでひとり踊っていた。
微笑を浮かべ月光色の長い毛を風に揺らしながら、ベールを揺らし、
ふわりふわりと揺れるように舞う彼女は、
自分を訪ねてくる旅猫を今日も待っている。
(注:空想の物語です)
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石塑粘土で造り、レジンでコートして防水と強度を出していますので、
いわゆる粘土細工のように割れることはありません。
(ただし、強い衝撃を加えると変形したり、欠けたりする恐れはありますので、お取り扱いは優しくご丁寧にお願いいたします)
ブロンズ像風のペイントは企業秘密ですが、一見すると、粘土で出来ているという感じはまったくしません。
手に取ると重さで金属ではないとわかりますが、見た目では金属感がしっかりあります。一般的なメタリックペイントとは全く異なる質感です。
粘土を盛って乾かし、削って更に盛ってという工程を幾度も繰り返し、造形が仕上がったところで、レジンでコートして、その上からブロンズ風のペイントを施し、最後に再度防水をして仕上げております。
大変手間と時間をかけて、また愛情も込め、ひとつひとつ作っています。
一からの手作りですので、すべてが一点物であり、型を使っているわけではないため、同じ物は二度と作ることができません。
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【愛おしき猫の肖像ー時の封印ー紡ぐ物語】
このシリーズは、愛おしい猫たちの姿を長い時を経たブロンズ像のようなレリーフとして現代によみがえらせることをコンセプトとして作っています。
「時の封印ー紡ぐ物語」という名の通り、かつて存在した、あるいは心の中で今も生き続ける猫たちの表情を粘土で一つ一つ丁寧に形作り、ブロンズを思わせる独特の風合いで仕上げています。
作品ひとつひとつに込められた猫の「肖像」は、過ぎ去った時間、そして新たな未来へとつながる物語を静かに語りかけます。
光の当たり方や見る角度によって表情を変えるレリーフは、日々の喧騒の中にふと訪れる記憶や感情の揺らぎを写し取ったかのようです。
私の作品は単なる装飾品ではありません。
愛おしい猫の表情を小さな粘土像の中に、過ごした時と共に封印し、あなたの心に寄り添い、共に時を刻む唯一無二の存在になることを願っています。
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裏面に私のサインと制作年度を入れております。
(愛猫さんが似てるということでご購入される方は、愛猫さんのお名前も入れさせていただきます。ご希望の方は取引ナビよりお知らせくださいませ)
レザー調ケースに入れてお届けします。
窓付のケースですのでこのまま飾っていただくこともできます。
発送方法
発送までの目安
ご購入の際の注意点
お手入れは、柔らかい布で優しくなでる程度に留めてください。
強く拭いたりすると、傷をつけたり塗装を傷めてしまいますので、くれぐれもお控えください。
水で洗うなどもしないでくださいませ。
また、強い衝撃を加えると傷がついたり欠けたりなど破損する危険がありますので、お取り扱いは優しく丁寧におねがいいたします。
ショップへの感想コメント
(1)-
とても素敵な素晴らしい作品をありがとうございました。 宝物が増えました。 これからも作品を楽しみにしております。

