いい ちいさな ものづくり
水着を身近に。waccoがつなぐ親子と伝統の”わ”
ー作り手
大阪・大東市にある小さな町工場。国産水着の製造を支えてきたその工場で、おやこ水着のブランド「wacco」は作られています。
『子育てをしている中でプールや海に行くことがあり、水着を着る機会が増えた』
「伝統×水着×fashion」を軸としているwaccoさんの水着は、そんな世のお母さんたちが求める"ちょうど良さ"を意識したデザイン、そして機能性、品質を追求しています。
子どもを連れての着替えを楽にするため、お家からそのままプールや海に着ていける、普段着のようなデザインの水着を展開。
使用している素材もUVカット率 95%の速乾性が高い国産の生地のため、肌に張り付く感覚のない心地良い着心地。そして、耐久性も優れているため、永く着られることが特徴です。
また、高い品質を保つために約50年間国産水着に携わってきた工場が引き継ぐ日本の伝統技術と職人の技を土台に、生地の染色から縫製まで全て手仕事で製作しています。
大量生産ではできないものづくり、それがwaccoさんの強みなのです。
ーものがたり
「水着を着ることを子どもにも親にも、もっと身近で気軽なものにしたい」
waccoさんの水着には、そのような想いが込められています。
きっかけは自身の母としての経験。子育て中の自分が水着を着ることになったとき、
現在販売されている水着のほとんどがデザイン性の低いスポーツタイプか肌の露出が多いものであることに気がついたそう。
また、義理の両親が営む国産水着の製造に興味を抱いたのもちょうどその頃。
自分のように水着で悩むお母さんたちが世の中にいるのではないか。そんな人々にも、もっと気軽に水着を着てもらいたい。
そうして、小さな工場で「wacco」の水着づくりがスタートしました。
水着に使うプリント生地は手捺染(てなっせん)という技法を使い、一つひとつ職人の手によって染色されています。
手捺染とは、染めたい模様にくり抜いた厚紙を布にあてがい、ヘラで丁寧に染料を塗り込む手法。シルクスクリーンと呼ばれることもあります。
この手法でつくられた生地は、中までしっかり染まっているため伸びても色が薄くなったり地色が透けることはありません。この染色法が、着たときに安心感を生む重要な要素だとwaccoさんは考えています。
また、水着の着心地を決める裏地にも大きなこだわりが。
総裏地で作られるwaccoの水着は、熟練の職人が細部まで丁寧に縫い上げています。
特に工夫が光るのは、レディースの水着。裏地自体にカップを縫い付ける手法によって、一人ひとりに合わせたフィット感でオーダメイドのような着心地の良さを実現しています。
ー想い
waccoさんの製品は、「工芸品のような水着」。
人の手で染め、裁断し、縫製する。
国内の水着産業を支えてきた熟練の職人たちの技術と経験が詰まっています。
しかし今、義理のご両親が大切に守ってきた国産水着の産業は、安価な海外製品の流入により先細りの状況となっています。
今までに無い、親子で着られるシンプルなデザインと、丁寧に一つひとつ作り上げる工芸品のような仕上がりが自慢の水着。
このブランドを通して国産水着の産業をもう一度見直し、世に知ってもらいたい。そして衰退しつつある水着の産業を守り、続けていく。
そんな想いを胸に、waccoさんは唯一無二の水着を作っています。
その水着がつくるのは親と子の和(わ)、家族の和(わ)。
人と人をつなぐ ”わ” と子どもの ”こ” 。
この2つの言葉から生まれたブランド名を掲げる「wacco」は、たくさんの ”わ” をつなぎながら、今日も親子に笑顔を届けます。
ー作り手情報
wacco(ワッコ)
2020年5月26日