いろどりチェスト

木を削って、穿つ（うがつ）・・・
木工のものづくりでは、昔から木と木を凸凹に加工して組み合わせてきました
しかし、今ではあまり見かけません
本来の木材から離れた素材の普及、金具や接着剤などの進歩、etc
確かに、より多く、より早くに生産・消費できるようになりました
でも、それらは永く先々まで残れるものなのだろうか
凸凹は外から見えないけれども、きちんとしたものを残したい

全体のサイズ　　…　幅　　　約75㎝
　　　　　　　　　　奥行き　約53㎝
　　　　　　　　　　高さ　　約108㎝
引き出しの内寸　…　幅　　　約27㎝
　　　　　　　　　　奥行き　約41㎝
　　　　　　　　　　深さ　　約13㎝

材料　…　天板（手前から）　　桜（さくら）・桧（ひのき）
　　　　　　　　　　　　　　　黄蘗（きはだ）・欅（けやき）
　　　　　脚　　　　　　　　　欅（けやき）
　　　　　脚元　　　　　　　　ウォールナット
　　　　　前後横材（上から）　楢（なら）・桜（さくら）・朴（ほお）
　　　　　左右横材（上から）　桑（くわ）・たも・榛（はんのき）
　　　　　上棚（手前から）　　香椿（チャンチン）・米ヒバ・樅（もみ）
　　　　　榛（はんのき）・楡（にれ）
　　　　　下棚　　　　　　　　桧（ひのき）
　　　　　開き戸方立　　　　　栗（くり）
　　　　　側板・背板　　　　　杉（すぎ）と桧（ひのき）の交互
　　　　　引き出し突板　　　　ビーチ・楢（なら）
　　　　　引き出し内板　　　　杉（すぎ）・桧（ひのき）
　　　　　引き出し底板　　　　樅（もみ）
　　　　　開き戸縦材　　　　　欅（けやき）
　　　　　開き戸横材　　　　　黄蘗（きはだ）
　　　　　開き戸鏡板　　　　　桜・メタセコイア・朴（ほお）
　　　　　取っ手　　　　　　　ウォールナット

仕上げ　…天板・上棚・下棚　　木固め剤
　　　　　その他　　　　　　　オイル仕上げ（オスモオイル）

仕口（しぐち：接合部の加工のこと）は枘組み（ほぞぐみ：先端を凸にして挿し合わせる技法）を行っているため、強固です。
天板・棚板・側板・背板はそれぞれ本実（ほんざね：付け合わせる面を凸凹に加工）して矧ぎ合せ（はぎあわせ）ています。
引き出しにはA4のファイルを入れることができます。また、引き出しの内板の仕口は蟻組み（ありぐみ）です。
天板・上棚・下棚は使用による傷つきを軽減するため、木固め剤にて塗装しています（ただし、強い衝撃では傷つきます）。
取っ手は当方で制作したオリジナルのものです。
脚の接地面には、がたつきと床の傷つき防止ためにフェルト付きアジャスターを付けております。

＜木の特性について＞
天然素材である木材は1つ1つ、1枚1枚、すべて違う表情を見せてくれます。
そのため、色や木目が写真とは若干異なることがございます。
また、木材は周りの環境に大きく影響を受け、伸縮を繰り返します。
特に、急激な温度・湿度の変化は割れや大きな変形の原因となります。
ストーブのそばやエアコンの風の当たる場所、直射日光などは避けてご利用ください。
自然の恵みである木の特性をご理解のほど、よろしくお願いいたします。

山乃井木工房ブログ
　http://yamanoimokkoubou-iwaiyuusuke.hatenadiary.jp
　　　・・・制作の様子を投稿しています