プロフィール

藍田染工は群馬県高崎市で江戸小紋を染めている工房です。

江戸小紋とは、江戸時代から伝わる「型染」という技法を用いた染め物のことです。

特徴は、遠目だと一見無地にも見えるほど細かい文様を染めるところです。


江戸小紋は、特に精緻で細密な型紙を使った小紋で、柄が細かいほど職人の高度な技術が必要となり、格も高くなります。

私は2011年、雑誌で拝見した故藍田正雄先生の作品に感銘を受け、お手紙を差し上げたところ弟子入りが叶いました。

工房を訪れ、型紙を見せてもらい、染め上がった反物、仕事場の雰囲気を感じ、自然とここで働いている自分の姿が想像できました。
初めて染めた着尺は拙い出来で、とても商品になるようなものではありませんでした。

自分も早く上手になって様々な型紙を染めたい──
その思いで11年続けてまいりました。

絹布に染め上がった江戸小紋は白く染め抜かれた細かい錐の一つ一つが輝き、着た人がまるで絹の光をまとったように見えます。

手染めの江戸小紋は、機械で染められたものと違い、どうしても『人間の手作業のために出てしまうムラ』があります。

それを最後の仕上げの工程『地直し』で、筆で限りなく平らに見えるよう薄い染料をのせていきます。

その作業を経ることによって、ふっくらとした奥行きのようなものが感じられるように思います。

私はその地直しの工程をしている、どんどん綺麗に静かになっていく様を見るのが大好きです。

直しながら、時折たわむ絹布が光を反射する瞬間をみて、それを纏う方に思いを馳せます。



江戸小紋の極型のみならず、伊勢型紙は素晴らしいものばかりで、令和の今でも通用する斬新なデザインの型紙ばかりです。

そのような型紙を見る度に、多くの人にこの美しさを伝えたい、この想像力を掻き立てるようなデザインを見てほしい──
そう思い日常使いできるアイテムを模索して参りました。

今までは、群馬の地元で開催する展覧会などでしか皆様の目に触れる機会がなかったので、一念発起しオンラインショップを始めました。

また、着物を普段着用されない方にも使っていただけるような作品をお見せできればと思います。

このオンラインショップでは、藍田染工で作った一点物の作品を誠意をもってお届け致します。



藍田染工　麻薙詩乃