好きな色や形があるように、誰にでも心地良いなと感じる「素材」があるはず。手触り、温度、重さ。季節によっても、受け取るイメージが変わりますね。なぜこんなに惹かれるのか、記憶をたどってみるのも面白い。今回は4つの素材を切り口にして、衣食住を彩る、表情豊かな作品たちを集めてみました。

編集後記

暦の上ではもうすぐ立冬。いよいよ冬が始まりますね。この時期に思い出すのは、母が愛用していた「白金懐炉」。ベンジンを使って温める金属製の携帯用カイロで、昭和のご婦人方の冬の必需品でした。寒い日も、母のポケットの中はいつも温かかった。すきを見ては腰にまとわりついて、かじかんだ指先を温めてもらいました。カイロを包むビロードの袋のなめらかな肌触りと、母をひとりじめにできた嬉しい気持ちとが、一緒によみがえります。素材と記憶。掘り起こせばまだまだ出てきそうです。(編集・F)
次回予告 配信日 2023.11.8

次回のiichi通信は「やわらかな白と黒」をテーマにお届けします。秋が深まると気になる、上品なモノトーンコーディネートの特集です。どうぞお楽しみに!

iichi通信バックナンバー

2023.11.1
読書の時間
2023.10.29
植物との暮らし方。

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