【再入荷】toe stool トースツール

• オーダーメイド対応可

【現在庫：写真17枚目の3枚並んだ写真。ご注文時、「上：在庫あり」「左下：在庫あり」「右下：soldout」のいずれかをご指定ください】

大阪で木工品を作るみやざき眞さんは、普段は器やカトラリー、調理器具、花器やオブジェなど小さなものをメインに製作しながらオーダー家具も製作されます。様々な木材を扱われ、それぞれの木目や形の適正や表情を見て、加工技法を組み合わせます。ノミを使った手の削り加工や、仕上げ塗装など、本当に細かやかで丁寧な仕事をされる作り手です。形と仕上げの綺麗さはありながら、材の取り方や削り具合による木の無垢材の味の残し方が絶妙で、そのバランスが魅力。

PINTではこれまで、キッチン周りではカッティングボードやハツリ小皿、すくえる木べら、サーバースプーン、屋久杉の花器や手で触れるオブジェ「結木（ゆいぼく）」を紹介してきました。

先に書いたようにみやざきさんのものづくりの精巧さとセンスが大好きで、デザインも仕上がりの確かさも大きな信頼がありました。小物をメインに製作されますがオーダーで家具の製作もされているため、PINTで展開している「家具未満」シリーズの製作を依頼できないかというのが最初のきっかけ。

「家具未満」は、簡単に分解できたり、組み立て持ち運びもできるような、フレキシブルな家具というコンセプトで名付けオリジナルシリーズ化しています。自分自身が引越しも多かったライフスタイルで、移動も引越しも楽で、気軽に移動や模様替えができる家具を求めていました。本文最後に、家具未満についての紹介文を記載します。家具未満シリーズではこれまで、ラックや台の脚となるもの、カーテンとして使える超大判布を展開してきました。木工では過去にラックの製作がありましたが材と製作環境から継続できなくなり、新たに試行錯誤中でした。

スツールについてはその存在自体が「家具未満」らしいと思っていて、作りたかったものの一つ。みやざきさんの過去の家具類の作品を見せてもらって、一目惚れしたこのスツールの製作を依頼しました。初期の作品とのことで、今回の製作にあたり構造やディティール仕様などをアップデートしてリデザインされました。ぱっと見た感じの印象はそのままに、軽くすっきりした佇まいのまま、座面と脚のホゾ組みの接合部の工夫によって強度を確保するように改良されています。

完成し納品の際、新しく付けられた名前は”toe stool（トースツール）“。toeはアフリカーンス語で「それから」、英語で「つま先」の意味。つくり手と使い手それぞれの「それから」の暮らしを創造できるスツールをイメージされて作られました。

3つの樹種が使われていて、全てオイル仕上げ。木肌はみやざきさんの別作品”結木”を思い出させる、滑らかで吸い付くような肌触り。

座面はチェリーで、真ん中をやや薄く凹ませるように削られています。チェリーは空気に触れるだけでも色濃く変化する、経年変化が大きく楽しめる材です。長く使いながら、じっくり育ててください。
4つの脚がホゾで組まれ、座面にも出ています。4つ丸く見えるのが、脚の材であるウォールナット。注意してよく見ると、この丸の真ん中に線が見えますが、これは楔（くさび）といって、接合部のゆるみをなくし強度を高めるもの。色は近いですが、楔にはウォールナットとは別のローズウッドを使用しています。

座面の裏には、横からか下側からしか見えませんが、これだけでも作品と言えそうな接合部分のパーツがあります。このパーツは脚と同じウォールナット。これにより、強度を高め、脚の角度を付けています。

脚は、下（先端）に向かうにつれ少しずつ細くなるように変化を付けられています。座面とのホゾや接合部によって強度を保たれていることで、脚は細く、横に渡す材も入れない構造に。脚の先端、床との設置面にはフェルトのクッションを貼っています。

座り心地は、個人的な感想にならざるを得ませんが、気持ち良いの一言。もちろん身長と体型にも多少よりますが、私は驚くほどにマッチしたようで、スツールと床をつなぐ膝も腰も、ぴったりと吸い付くような座り心地で、普段にはないような自然な姿勢の良さで楽にすっと座れました。実店舗にご来店されるお客さんもよく、見て触れて、座ってくださいますが、手触りと座り心地の良さで笑顔が見られます。みやざきさんの作品を触れていただいた方にはイメージいただけるかと思いますが、ずっと触れていたくなるような手触り感が、身体全体に広がったような感覚です。そんな風になったらいいなと妄想していたことが、期待以上の仕上がりで実現し、体感させてくれました。普段の小物中心の製作範囲とは異なるため、依頼をして良いものかすごく悩みましたが、みやざきさんにスツールの依頼をして本当に良かったと思っています。

座面の高さは汎用性の高い45cm。一般的な椅子の高さです。スツールには色々ありますが、小さめの腰掛けというよりも、ダイニングテーブルなどとも合わせて使える大きさのスツールです。
座面は削られていますので、フラットではありません。ローテーブルのようには使えませんので、ご注意ください。この削りが、座ったときにかなり効いています。

見ても、触っても、座っても、動かすときに脚や座面裏に触れても、心地よいスツールです。

写真最後の2枚は、お客様より依頼いただき製作した、脚の長いバージョン。脚を＋5cmして、全体の高さ50cmのスツールになります。受注製作となり、価格が5500円プラスで44000円です。ご希望の方は、お問合せくださいませ。納期を確認しご案内いたします。


【素材】
座面：チェリー
座面裏板・脚：ウォールナット
楔（くさび）：ローズウッド
全てオイル仕上げ

クッション：フェルト

【サイズ】
座面：直径約27cm
高さ：約45cm
脚の幅（正面から）:約27cm

【お手入れ】
・オイル仕上げのため、エアコンの下や直射日光での使用は避けてください。
・平らな床でご使用ください。ガタつく場所での使用はスツールの脚に負担を掛け、転倒の危険や故障の原因となります。
・詳しくは、取扱説明書を一緒にお送りいたしますので、ご覧ください。購入前でもご使用後でも、不安な点がございましたらお気軽にご相談くださいませ。


▼みやざき眞さんの他の作品
カッティングボード　https://www.iichi.com/shop/pint/artist/F2451576?page=1
木べら・サーバースプーン 　https://www.iichi.com/shop/pint/artist/N2047446
ハツリ小皿
タモ　https://www.iichi.com/listing/item/2180062
チェリー　https://www.iichi.com/listing/item/1829836
ウォールナット　https://www.iichi.com/listing/item/1829843


▼家具未満シリーズ▼

PINTが提案する、”家具未満”。”家具未満”とは、その名の通り、家具ではないのですが家具として使えるもの。PINTを運営する私の個人的な好みなのですが、いわゆる一生物の家具を買おうという気持ちなく、これまで生活してきました。住まう人数や環境によって、家も間取りも変わり、引っ越しも多かったのです。そんな状況もあって、大きな家具を持ちたくなかったことや、広くない家でスペースを自由に使ったり、移動も簡単にできる様にと、自前で天板と箱のような脚を組み合わせて部屋を作っていました。収納も使い勝手も楽で、大型家具を持たないというストレスのなさも気に入っていました。京都に実店舗をオープンした時にも、配置換えを自由にできるように、いわゆる什器や家具は買わず、脚・箱・台に天板をのせてお店を作りました。お店で実際に使いつつ店頭で販売を始めたところ、自分に近いライフスタイルの方のみにならず、マイホームをお持ちの方がサブの家具として使ったり、店舗に使われたりと、想像以上に幅広く、自由にお使いいただくことができました。実際に店でも使用してみて、使い勝手はもちろん耐久性も問題なく、販売をスタートしたのがこの”家具未満”シリーズです。