森から町へ出る日のかばん・４・ピン川のほとり

タイ北部の生地をたくさん使って、小型のトートバッグを作りました。ストーンウォッシュの生地を使っているので、何年も使い込んだかばんのような、なつかしくもやさしい雰囲気の作品に仕上がりました。

タイ北部の中心都市チェンマイ。その街の中を流れるピン川は、やがてナーン川と合流してチャオプラヤー川に注ぎ、遠くバンコクまで流れて行きます。
そのピン川のほとりに繊維関係の市場があり、チェンマイを訪れれば必ず出かける場所になっています。野菜や果物といった食品市場にも接するそこは、インドシナ半島でのベースはチェンマイに置いている私にとって、馴染み深く友人もたくさんいる場所です。

その市場で、何年か前に色違いでたくさん揃えた生地を使って作りました。木綿の平織りを染め、その後でストーンウォッシュにかけた生地です。使い込んだような風合いを持ち、やわらかく、適度な厚さであたたかみもあります。この生地でたくさんの服を作ってきました。少数民族の織柄の布と合わせたり、色違いを接いだり・・・。
そうして残った生地たちで、今回このかばんを作ってみました。
ところどころに、ストーンウォッシュの際についた傷というか、染まらずにラインのように残った箇所があります。服を作る際には除けた部分なのですが、面白いのでそのまま使ってみました。

お財布、携帯電話、その他細々したものを入れても大丈夫なサイズです。森からバスに乗って町に出かける日に持っていく、そんなイメージで作りました。

表、裏面は他種類の生地接ぎ合わせ。薄手の接着芯を使っているので柔らかな風合いそのままです。
持ち手は同じストーンウォッシュの生地を何色も接ぎ合わせて作っています。
裏地は同じくピン川のほとりの店で手に入れた明るい黄色の平織り木綿。
内側にポケット２つ。

サイズ
横30.5センチ　タテ27センチ（マチ含む）
マチは5.5センチ
持ち手　37センチ