チェムさんの手織りバスマット

バスマットを作るキッカケとなったのが、織り手であるチェムさんとの出会いです。
彼女は農業と機織りを主な仕事としています。お米や野菜を夫婦で作り、
自分たちで消費する以外にも市場に卸してもいます。農作業は時間が空く時もあるので、
その間に機織りをするというのが、伝統的な彼女たちの自然の暮らしです。

チェムさんは以前、家から離れた他の村の工房で織り手として働いていましたが、
できれば家で働きたいという希望をずっと持っていました。
それを以前聞いていたので、それでは一緒に仕事をしませんか？
と誘って今回のバスマットを制作する運びに至りました。

ただ問題は、織り機もなんにもないところから始めなければならないということでした。
そしたら彼女の旦那さんが自分が作る！と言ってくれて、僕は半信半疑でしたが
ちゃんとできあがったのはビックリさせられました。
作る布にあった必要な道具は、もしなければ独自に作ったり、筬などの
作れない道具は、大きな市場で買ってきたりとみんなで工夫しながらことが進みました。

しかし実際に織ってみると筬がすごく重くてとてもじゃないけれど織れないぞ
というアクシデントもあり、経糸の番手も細くしたりなどと試行錯誤しながら
なんとかかんとか1枚の布が完成しました。

手織りの生地は、織り手のちから加減によっても風合いがかわるし、
チェムさんのバスマットはチェムさんしか織ることができません。
そうゆうパーソナリティーを大切にしながら、背伸びをせずに徐々に
他のアイテムも増やしていければと考えています。

価格に関しても、あまりにも高いと気軽には使ってもらえませんし、
かと言って安く作れるものでもないのでかなり悩みました。
それでも継続して仕事をしてもらうという大きな狙いを踏まえて決定しました。