丸底バッグ　聖書からのインスピレーション　「見失った羊」ならぬ「見失ったペンギン」

　シークレットガーデンのあるじは、近所のデパートに入っているユザワヤへよく行く。そして、時々いただく割引チケットを使うのだけど、メーカーからの糸の取り寄せには割引チケットは使えないので、「どうしよう？」と思っていたら、ユザワヤの店員さんが「お客様でしたら、ゴールドカードをおつくりになられたらいいですよ。会費は少々かかりますが、十分元は取れます。糸の取り寄せの時にも使えますよ」と言われ、ゴールドカードを作りました。「お得になるのか。ムフッ」と一人笑いをしながら、生地売り場を見ていたら、ペンギンの生地を発見。「超かわいい！」と。早速ゴールドカードを使いました。30％offになった。「へへっ」と一人でほくそ笑みながら、家に帰り、「この生地を裏地にしてペンギンのバッグを作ろう！」と。新たにデザインを起こそうかとも思ったのだけど、以前ネットにアップした、皇帝ペンギンの子どもの巾着を思い出し、「あの時の図案を使おう」と、編み図を探して、糸を揃え、まずはポーチで試し編み。いい感じ。早速バッグに突入です。
　ペンギンたちを編み込んでいる時に浮かんだのは、聖書の「見失った羊の例え話」。こう見えて、あるじは、カトリックの信者、クリスチャンです（あるじの旦那さまもカトリックの信者です）。ほとんど教会には行かない名ばかりですが、たまには聖書も読むのです。
　そして、ルカの15章4〜6節を開いた。引用しますね。「あなた方の中に、百匹の羊を持っている人がいて、その一匹を見失ったとすれば、九十九匹を野原に残して、見失った一匹を見つけ出すまで捜し回らないだろうか。そして、見つけたら、喜んでその羊を担いで、家に帰り、友達や近所の人々を呼び集めて、『見失った羊を見つけたので、一緒に喜んでください』と言うであろう」（聖書　新共同訳）
　数の論理で言ったら、見失った一匹を捨てて、残りの九十九匹を選ぶだろうと思います。でも、本当にそうか？あるじの勝手な解釈ですが、はぐれた一匹は不安で、「戻りたいけど戻れないどうしよう？」と考えていると思うのです。でも、飼い主（羊飼い）が、必ず助けに来てくれると信じられたら、こんなに心強いことはない。信じて待っていたら、必ず助けに来てくれると思えたら、いつまでも希望を持って待っていられると思うのです。そして、残された九十九匹は、「やれやれ、俺たちを置いて、たった一匹を探しに行くなんて、羊飼い、馬鹿じゃない？」と最初は思うだろうけど、「そういうたった一匹を大切にする羊飼いだから、俺たちもついてきたんだよな」と言って「じゃ、俺たちもみんなで協力しあって生き延びようぜ」と言うのではと思うのです。そして、見失った一匹を連れて飼い主が帰ってきた時に、九十九匹は、「俺たちもみんなで助け合って、頑張って生きてたぜ」と羊飼いに言うのだと思うのです。逆に見失った一匹を捨てて、九十九匹を選んだら、最初のうちは九十九匹は「良かった。生き延びられた」と思うかもしれない。でも、もし、九十九匹の中で体調が悪い羊が現れたら、その羊は「自分も捨てられる」と思うのではとあるじは考えるのです。そうやって、九十九匹は、どんどん数が減っていき、いつの間にか全部いなくなると思うのです。たった一匹を選ぶことが、実は残りの九十九匹も救うのです。そして、一匹を犠牲にしたら、残りの九十九匹も犠牲になるのです。これはあるじの解釈で、神父さんに聞いたわけではないので、あくまであるじの戯言だと思ってください。「でも、この考え方、あるじは好きだな」と思います。「あるじの庭『シークレットガーデン』の世界だ」と思うのです。

　そんなこんなで、羊の代わりにペンギンの登場です。ペンギンの子どもたちは、はぐれた一匹を探しに行った飼い主を待ちながら、はぐれた一匹に出会えることを待ち望んでいるのです。バッグの編み地だけで、四十匹、裏地の生地のペンギンたちを合わせたら何匹いるだろう？たくさんのペンギンたちが、見失われたペンギン（もしかするとあなたかも？）を待っているのです。それが、神様のなさりかただとあるじは思う。いつまでもどこまでも探しに行く。たった一匹を探しに。そしてその一匹のために命さえ差し出すのだろうと。
　誰も助けてくれないなんて思わないでほしい。すぐそばまで、神様は来ていますよ。あなたを探しに・・・。そして、あなたを待っている人が必ずいますよ。そんなメッセージを込めました。お気に入りの作品に仕上がりました。
　今回のバッグは、横糸渡しの技法で編まれていますが、少々無理な編み方をしています。何かにバッグが引っかかった場合、糸が飛び出てくることが考えられます。その場合、かぎ針で飛び出た糸を中に引き込んでいただければ大丈夫ですが、気になる方はご購入をお控えください。
サイズとしては、A4サイズの書類が縦に入ります。丸底なので、物の整理がしやすいかと思います。
　ベースの糸は、ハマナカ ボームベビーカラー。編み込み部分は、コットンコナ 、カブレ2005、スビンゴールドを使用。裏地は、国産、持ち手は譲れなくて、生き物つながりでカフカリボン 、リスの柄を選びました。40mmのリネンテープ で補強しています。ポッケは二つ。このサイズのバッグとしては大きめなポッケです。相変わらずミシンとお裁縫が苦手な私の腕を考慮した価格設定です。持ち手のカフカリボン は、くしゃくしゃになって交換したいというのであれば交換可能です。3,500円ほどです（送料は別）。リボンの在庫がない場合はお取り換えはできません。また、バッグ本体と裏地は、手縫いで縫い合わせています。万が一、解けてしまった場合、お客さまの方で縫い合わせ可能だと思いますが、送料はいただきますが、当方での縫い合わせは無料です。また、メンテナンスには可能な限り対応いたしますので、何かございましたら遠慮なくご連絡ください。ただし、故意によるものには対応できません。ご容赦ください。
　　
《使用糸》 ハマナカ ボームベビーカラー　ピュアオーガニックコットン100％
　　　　　コットンコナ コットン100％
　　　　　カブレ2005（廃番）　コットン100％
　　　　　スビンゴールド コットン100％
《裏地》 コットン100％　国産
《持ち手》 カフカリボン ドイツ製
　　　　　リネンテープ リネン100％　ドイツ製