ポーチ　たんぽぽとわたぼうし（たんぽぽの花をメインに）

　「またですか！？」と言われそうですが、私にとってたんぽぽは永遠のテーマです。今回は、たんぽぽとわたぼうしを編み込みました。こちらのポーチは、たんぽぽの花がメインです。ベースは、オリーブグリーンで、元気なたんぽぽが太陽の光を浴びて輝いて咲いているイメージで編んでみました。たんぽぽの花もわたぼうしも、花の部分の図案は同じです。実はこの図案は、今まで何度か使用していますが、元々は、フェアアイル模様です。フェアアイル模様というのは、イギリススコットランドのシェットランド諸島のフェア島発祥の伝統柄で、400年以上の歴史を持つ、古くからある、言って見れば完成された図案です（ただし、私の場合、フェアアイル柄を本来の編み方ではなく、アレンジして使っています）。完成された図案というのは、普遍性を持っているから、いかようにも解釈できるので、私の中で、聖霊になったり、スカビオサになったり、マーガレットになったり、たんぽぽになったりするのです。今回は、たんぽぽとわたぼうしに変換してみました。
　たんぽぽもわたぼうしも、いろんな表情を持っていて、幾つものデザインが浮かんできます。何度描いても飽きない。多分、熊谷守一さんが、脳卒中を患ったのちに亡くなるまで、30坪の自宅の庭（小宇宙...だったと思う...私もそうだから...ただ、我が家の庭は荒れ放題です）でほぼ1日を過ごして、見てなんども描いていた「花や猫、庭で出会った生き物」につながるものと似ているのだと思います。もしくは詩人のまど・みちおさんが、何度も「アリ」や「蚊」の詩を書いていたのと同じだと思うのです。私の中で根っこにあるのは、ウィリアム・ブレイクの詩『無垢の予兆』「一粒の砂にも世界を　一輪の野の花にも天国を見、　君の掌のうちに無限を　一時のうちに永遠を握る。」（松島正一訳）なのですが、この詩で説明できてしまうのです（えぇ？ホント？）。私はたんぽぽに天国を見ているのです。そして、何度描いても、完璧なものはできない。なぜなら、永遠を握ったとしても一時だから。何度も何度も描いて、自分の中でできる限りの表現をしようと思うのです。それの繰り返しです。多分死ぬまでやっているんだろうなぁ。いつだって、「今度はどうだろう？なんでこの形なの？」と問いかけながら、、。その作業は、苦しくもあり、また、とっても楽しいのです。熊谷守一さんや、まど・みちおさんもきっと同じだったんだろうなぁ。巨匠の方々と、ただの編み込み好きのその辺のおばちゃんの私では比べるのもおこがましいけど。自分で書いていて恥ずかしくなってきた、、、。やれやれ。
　たんぽぽの葉っぱの部分は、ダイヤプーリアで、葉っぱの微妙なトーンが出るように。たんぽぽの花の部分はコットンコナ（廃盤色） 、カブレ2005（廃番）と、ザンビアプリント （廃番）の三種類の糸で表現しました。たんぽぽの花が太陽の光を浴びて誇らしげに咲いているイメージでデザインしました。わたぼうしの部分は、コットンコナ と、ウォッシュコットンで。明るさを抑えて落ち着いた感じにしました。葉っぱは、野呂英作の「つむぎ」で。少し葉っぱが枯れかけているイメージで（バッグの方は、「ダイヤタンゴ 」を使用しました。野呂英作の「つむぎ」をポーチで編んでみて、色の出方が難しくてわかりにくいの思ったので。個人的には、「つむぎ」も気に入っています）。
　相変わらずお裁縫が苦手な私の腕を考慮しています。また、バッグを編むための試し編みなので、少しお安くしています。また、このポーチは大きめです。いつもだったら、巾着に仕立てるサイズなのですが、ポーチの方が使い勝手が良いので、ポーチに仕立てました。それに、ポーチの方がお安くご提供できるのです（実は、私がいつも使用している巾着の革ひもって結構なお値段なのです）。メンテナンスには可能な限り対応いたしますので、何かございましたら遠慮なくご連絡ください。ただし、故意によるものには対応できません。ご容赦ください。お気に入りの作品に仕上がりました。ちょっとそこまでにも対応するサイズ感です。

《使用糸》 コットンコナ （廃番色を含む）　コットン100％
　　　　　カブレ2005（廃番）　コットン100％
　　　　　ザンビアプリント （廃番）　オーガニックコットン100％
　　　　　野呂英作　つむぎ　コットン50％　レーヨン30％　シルク20％
　　　　　ウォッシュコットン　コットン64％　ポリエステル36％
《裏地》 コットン100％　国産
《ファスナー》YKK 国産