小面(白)

能面における小面はあどけなさを残した可憐な若い女性を表した面で、数ある若い女面の中でも最も早く成立したと考えられているそうです。
「小」という字は単に小さいということではなく、「若い」「可愛らしい」という意味を示し、毛筋が乱れず自然に流れているのが造形上の特色ですが、それは若さの象徴ともいえるものです。
小面の大きな特徴として、平安時代の人々に見られた、眉を抜き、おでこの真ん中に眉を描く「引眉(ひきまゆ)」と、歯を黒く塗る「お歯黒」を表現されているのが印象的です。
平安時代の人々がメイクとしてお歯黒をしていたのは、虫歯予防などの効果もあったようですが、その最大の効果は、口を小さく見せることだったようです。
そして色白に見せる為(色の白いは七難隠す、という言葉もあります)、おしろいを塗っていました。
引眉とお歯黒の効果は「顔を長く、薄く見せる」ことにあったようです。
日本古来の望ましい輪郭を表す表現として「面長(おもなが)」という言葉がありますが、顔が長く(大きく)、口が小さい(おちょぼ口)、そして、眉と目が離れると目元の印象も薄くなりますので、顔全体が薄くなります。それが当時の美男美女だったようです。

今回の制作では、様々な面打ちされた作品を参考にして自分の理想とする小面を制作させていただきました。
ちょっとした肉付けの差やラインの変化で大きく表情の差が出来ることで、原型作りにはかなりの神経を配りました。
木から彫り上げる能面師と呼ばれる方々へは本当に敬意を表します。

一般的に現代の能面師の方々が作られる能面は、使い古したような風合いを与えて制作されることが多いようなので、この作品も髪の毛の部分には経年劣化のような風合いを施し、唇の着色は、敢えてムラのある塗り方をしております。

サイズは男女兼用でワンサイズです。
一般的な面打ちされた小面と同じくらい(全長21cm)のサイズで、実際に被れるお面です。顔のサイズをお確かめください。
女性の方や小顔の方はお顔がすっぽり収まると思いますが、お顔が一般的な大きさ、それ以上の方は顎に乗せてご着用ください。FRPなので軽い衝撃に強く簡単には壊れません。

発送方法

発送までの目安

3日
サイズの在庫がない場合は2週間ほどお待ち頂く場合があります。

ご購入の際の注意点

顔 約縦210mm横135mm
実際に被れるお面です。顔のサイズをお確かめください。

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