網代編みの藍木綿とガラスの緒締玉の袋もの

藍染め木綿の古布を縫いつないで網代編み籠に見立た袋ものを仕立てました。

網代編みの籠を眺めながら、このような編み模様を布で作ってみたい、と細かなパーツをちくちく縫いつなぎ、

網代編みの布を作りました。

パッチワークは見た目以上に2倍、3倍もの布を使用しますので、

全部を編み籠にしてしまっては重くなりすぎるので、

底部分を編み籠に、本体は藍染め麻の布を配しました。

不思議と藍染めされた布は年を経ても味わいが増し、化学染料で染められた布はただ古びていくのに、

藍染めの布は色褪せたり擦れたとしても、どこか趣きが出て来るように思うのです。

　そんな袋ものを長くご愛用頂きたくて、内側にはオーガニックコットンの丈夫な布を使用しました。

生成りや白の布は経年のうちに何故か黄ばみが出て来ることがあります。

それが何故かというと、糸を紡績する際に糸切れしないように薬品を浸して撚るのです。

その薬品は洗っただけでは落ちきれず、そのうち黄ばみとして表面に出てきます。

生成りや白の木綿が使いたいけれど、薬品を使わない『水撚り』の糸で織られた布がなかなか見つけられませんでした。

やっと見つかったのは、高齢の職人の方が糸切れしないように、昔ながらの力織機でゆっくり織られたものです。

今の大量生産の布にはない、時間と手間を掛けて織られた布です。

手触りも見た目にも心地よさを感じるオーガニックコットンです。

　

　シンプルなようで、細部や素材にこだわった袋ものです。

街歩きやお出かけに持ち歩けるように、丈夫な苧麻の糸でループと紐をつくりました。

紐に緒締玉としてガラスのとんぼ玉をあしらいました。

布のパッチワークとお揃いの、ガラスのパッチワークのデザインが美しいガラスの工芸品です。

　宝石のような青いとんぼ玉はNoriko.Yamamoto氏の緒締玉です。

古布を使用する薺nazunaの袋ものに、真新しいビーズやとんぼ玉は浮いてしまうので、

アンティークの素材や藍染め、天然染めにしっくり馴染むとんぼ玉をオーダーして製作して頂いたもの。

袋ものの紐が滑らかに通るように穴を丹念に磨いて下さいました。

一点もの、直径20mm強の大玉です。お使いのたびに手の中でガラスの芸術作品を楽しんで戴けたらと思います。



　さて、巾着の持ち方を是非ご参考にして戴きければと思います。

一番最後の画像にありますように、

チョウチョ結びをして大きな輪っかを作り、ぐっと広げます。

紐先の結び目部分が玉の穴にくっつくぐらいまで、そしてギュウっと強く結びます。

大きな輪っかが二つできたら、そこに手首まで通して巾着を提げて、

緒締玉を手の中に握りこむように持つのが巾着の粋な持ち方です。

お財布や携帯、スマホなどを入れて、ふらりと散策のおでかけにも。

和装にも、カジュアルなスタイルにも、

ぜひ、街歩きのお供に。



一つ一つの工程を手縫いし、すべて手仕事で仕立てた袋ものです。

手縫いにこだわるのは、布と布の合わせ目がふんわりとふっくら仕上るので、

手織りのものや上質の素材には手縫いで、というのが信条です。。。

手にしたときに、思わず心が和むような、喜ぶような、

そんな袋ものに仕上ったと思います。



size : W27cm × H28cm（マチ8cmを含む）

表布：藍染め木綿　×　藍染めの麻（古布）

内布：オーガニックコットン

紐　 ：苧麻を四つ編みにした組紐

緒締め玉 :N.yamamoto氏のガラスのトンボ玉

ループ:苧麻を一つ一つ編んだもの