ポーチ　ナズナ（『草の辞典　野の花・道の草』からのインスピレーション）

　ここのところ、ミレコロリ（イタリー製）という糸にハマっている私。そして、今、もう一つハマっているのが、『草の辞典　野の花・道の草』（森乃おと著　雷鳥社）という本。近所のデパートに入っている本屋さんで見つけました。植物の辞典なのですが、とにかく写真がすごいのです。森乃おとさんの植物愛がすごすぎる。植物辞典は、何冊も持っているのですが、こんなアプローチの仕方の植物辞典を見たのは初めてです。初版が2017年なので、もう随分前からあったのだろうけど、気がつかなかった。即購入です。パッと開けたら、「ナズナ」の写真のページが出てきた。「えっ、こう来ましたか！？」と。ナズナの花の部分がクローズアップされ、背景が、ぼかしたペールパープル。ナズナが、誇らしげに、生命力もたくましく、その上可憐に「私たち精一杯生きてるよ！」と語りかけてくるような、、、。もう衝撃でした。「いやーこれはやっぱ編まなきゃいけないでしょ」と。ベースをミレコロリにするのは決めていたので、デザイン開始です。本当は、葉っぱのハートみたいな形も表現したかったのですが、編み地の目の大きさから言って私のデザイン力では無理。そこで、とにかく元気にたくましく咲いている、生命力溢れるナズナの花を表現することに徹しました。ポーチで試し編み。最初のはイメージ通りいかなかったのでボツに。そして少しデザインを変えて、もう一度ポーチを編み、「これでいいでしょ」と。それがこのポーチです。でかめなので、ちょっとそこまでにも使えそう。ペンケースにしても良さげです。ウールなので、触感がもふもふして触っていて心地いいです。いつまでも触っていたくなるポーチです。　
　材料費がそこそこかかっているのと、お裁縫が苦手な私の腕と、バッグを編むための試作品であることを考慮した価格設定です。このポーチは横糸渡しの技法で編んでいるのですが、かなり無理な編み方をしています。アイロンをしっかり当てているので多分大丈夫だと思いますが、何かに糸が引っかかって糸が飛び出てくることがあるかもしれません。その時は、かぎ針などで、糸を編み地の裏側に引き込んでください。また、裁縫で仕上げている部分は手縫いです。気をつけて縫っていますが、気になる方はご購入をお控えください。清楚で、可憐で、しかも生命力にあふれたポーチで、個人的にはかなりお気に入りの作品に仕上がりました。

《使用糸》 ミレコロリ（イタリー製）　ウール50％　アクリル50％
　　　　 　ブリティッシュエロイカ　ウール100％（英国羊毛50％以上使用）
　　　　 　スペクトルモデム ウール100％
《裏地》 V&A コットン100％　国産
《ファスナー》YKK 国産