ポーチ　「シークレットガーデン」で見かけた花（北欧っぽく）

　2022年12月。糸見本帳を見ていたら、ミレコロリ（イタリー製）というブルー系のミックスヤーンを発見。「綺麗！」と糸の問屋さんに注文。最初、メリヤス編みだけでバッグを編んで（自分用）色の出具合を見てから、編み込みでポーチを作ろうと。そうこうしているうちに2023年の７月に。でもピンとくる模様が頭に浮かばなかったので、フェアアイル模様の図案集（洋書）を見ていたら、ひとつの模様に反応。「でも、実際にはこんなお花はないなぁ」と思い、想像上の「シークレットガーデン」で見かけたお花としてデザインを始めました。いろんな糸を使ってみようと、倉庫（私の部屋）で、ガサゴソして、糸を揃えて、編んでみました。いい感じにできた。でも、バッグの模様にしては収まりが良くないと、このデザインでバッグを編むのはやめて、ポーチだけにすることにして早速仕上げです。北欧っぽくしたかったので、裏地はKippisのVarpu（小枝）に。なんだか、曜変天目茶碗にも見えます。夜の月明かりの下で咲いているようにも見える。ちょっと個性的なお花のポーチです。
　個性的というと、私はいつも「変わっている・面白い」と言われる。子どもの頃は、そう言われるのが、私にとって、最高の褒め言葉だった。思春期を迎えた頃は、そう言われると「私は普通と違うのか？」と悩みの種だった。「普通って何？私も普通がいい」と思った。でもやることなすこと、「ぶっ飛んでる、変わっている」と言われるので、自信をなくしていた。みんなが普通にしていることが自分にはできない、できないことが多すぎると、みんなができることができない私は、コンプレックスの塊だった。そんな毎日を過ごして鬱々としていたある時「できないことを数えて、何もできないと落ち込んでいる時間があるなら、自分にできることを一生懸命することに時間を使ったらいいんじゃないか？」とハッと気づいた。そして、自分にできることを一生懸命やってみたら、思っていた以上に自分にできることがあることに気がついたのです。そして、いつの間にか自分にはできないと思っていたことも少しずつできるようになっていたのです。そして、その時、思ったのです。自分にできないことは、できる人に手伝ってもらえばいいと。そして、他の人ができなくて自分にできることがあったら手伝えばいいということに気づたのです。「ああ、そうやって階段をひとつ昇ったっけなぁ〜」ということをポーチを編んでいて思い出しました。そして、私の庭「シークレットガーデン」は、住人たちが、それぞれ、自分たちにできることと、できないことをよく知り、お互い、それぞれが助け合う場所にしようと思ったことも思い出しました。だから、「シークレットガーデン」は、平和で、お互いがお互いの個性を尊重し助け合う場所になったのです（ホンマかいな？）。そして、今では、私は、自他共に認める、ぶっ飛んだおばちゃんになり、どこへ行っても面白がられている。「ぶっ飛び」でよしと思えるようになり、思春期の頃、悩んだ分、少しだけ容量が大きくなった（えぇ、そう？）。
　また、話が飛んでしまった。いかんいかん。ポーチの話に戻ります。多種類の糸を使用したのと、材料費もそこそこかかっていることと、お裁縫が苦手な私の腕も考慮しての価格設定です。北欧風のお気に入りのポーチに仕上がりました。ウールなので、もふもふして、触っていると心まで暖かくなる。ライナスの毛布みたい。ちょっとそこまでにも使えそうです。

中にエアクッションを詰めて撮影しています。

《使用糸》 ミレコロリ（イタリー製）ウール50％　アクリル50％
　　　　　ソフトドネガル（イギリス製）ウール100％
　　　　　ブリティッシュエロイカ（英国羊毛50％使用）ウール100％
　　　　　スペクトルモデム　ウール100％
　　　　　シェットランド（英国羊毛100％使用）
《裏地》 Kippis Varpu（小枝） 綿100％
《ファスナー》YKK 国産