天然染料で染めたものは、化学染料のものより色落ちしやすいです。お洗濯は必ず手洗いで、手短かに優しく押し洗いしてください。
変化していく色味や質感も、味わいのひとつとして楽しんでいただけたら嬉しいです。
山梨県富士吉田の織物産地で織られた経糸が竹繊維、横糸がシルクの珍しい組み合わせのストールを、桜の樹皮で染めました。春にふさわしい見ているだけで気分和らぐ優しい桜色です。
竹繊維は麻と似た感じでハリがあり、横糸のシルク糸は細く繊細な柔らかさと艶感があり、とても薄く上品な印象です。
極薄手なので大きめサイズでも畳めばかさ張らず、首に巻くとボリューム感がでて軽いのに存在感があります。
サイズ:約210×108cm(両端のふさ:2cm前後)
※若干の誤差はご容赦ください
◆桜染の物語◆
染材料に用いた桜は、とても思い入れのある樹でした。
うちの畑の裏には近くの会社の駐車場があり、そこに私が生まれる前から植えられた桜が、敷地の周囲に10本ほどありました。その桜は毎年立派な花をつけ、ご近所みんなで親しんできた桜でした。
時が経ち、桜の樹齢にしたら50歳くらい?幹の太さもひとりでは手が回らない程に太くなり、1本でも見応え充分な大木になったころ、その駐車場の持ち主である会社の移転で、桜の樹も管理しきれないからと1本を残し伐採されてしまうことに…
とてもショックで残念な気持ちでいっぱいの中、せめて色として桜を残せないかと思いつき、伐採中の方に枝を譲っていただき、手元にあるだけの白地を桜で染めました。
ちょうど桜の蕾が膨らみ始めた、色をたっぷり蓄えているときだったので、本当にきれいな色がストールに宿されました。