琉球麻の算崩しの小物入れ

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沖縄に琉球王国が存在していた頃に織られた算崩しの麻と、
明治期の算崩しの木綿に合わせて、
算崩し尽くしの小物入れを仕立てました。

藍染めされた糸で、綿密な計算と技で織られた算崩しの織り紋様。
この美しさに魅せられて、少しずつ布を集めてきました。

木綿のもの、麻のもの、
藍と生成り、藍と晒しの糸、藍と天然染料で染められた糸のもの、
時代や織り人、土地の違いはあれど、
美しい紋様は不変のもの。

かぶせと合わせたのは、濃い藍染めの古布を重ねて、
一針一針手刺しした刺し子布を合わせました。
マス目を縦、横と、縦横に刺し子して、算崩しに合わせて拵えたものです。

内側の白い麻の仕切りポケットにも、
算崩しの麻をパイピングにして、
算崩し尽くし、という趣向に。

希少な琉球麻は経年の傷みが出にくい前ポケットに配しました。
ピンホールの穴があったところに、糸で繕ってアンティークビーズを飾っています。

時代を超えて、大きな戦争も乗り越えて、
現代に残った貴重な宝石のような布たちが、
大切なものを仕舞うための小物入れとして生まれ変われたらという思いです。

それぞれの織り紋様の美しさをどうぞ画像でご堪能ください。

前ポケットの留め具は、べっ甲かんざしの装飾部分をボタンとして利用しました。
苧麻の糸で編んだループで開け閉めします。
ループに通した緑の玉も200年ほど前のアンティークビーズです。