ビコ　　＃１

夏休みのある日、ビコは二階の部屋で宿題をしていました。

外では近所のおじさんの慌てた声が聞こえて、窓から覗いてみると牛小屋があり、近くには獣医師さんの車が止まっていて、おじさんはバタバタと落ち着かない様子。

それから数十分宿題を続けていたビコは、牛小屋から「ポゥー・ポゥー」と子牛の鳴き声が聞こえてきて「出産だったんだ！」とつぶやきました。

数日後子牛は日光浴の為、狭い牛小屋から出されて数メートル離れた外に、親子で繋がれていました。

子牛はまるまるとしていて元気が良く、後ろ脚を蹴り上げたり首を大きく上げ下げしたりと、外の空気を楽しんでいましたが、そばにいる母牛は少しけむたそうに、じ～っと一点を見つめていました。

子牛の様子を見ていたビコは思いました「思いっきり走ってみたいんじゃないか？、牛小屋にはない、色々なものや色々な道を、紐を解いて散歩してみたいんじゃないか、、、？」　この日からのビコは、子牛の声を聞くたびに「思い切って子牛を真夜中に連れ出してみようか！？　でもおじさんにバレたら、、、親にバレたら、、
、」　そう思うととても恐ろしくて勇気が出ませんでした。

夏休みも終盤に入りビコは訳もなく焦りを感じ始めていました。

そしてまた外に繋がれている子牛を二階から見た時、「近くで見たい」と思いすぐそばまで行くと、いきなり子牛と目が合い油断していたビコはしばらく固まってしまいました。

そしてその瞬間ビコは決断しました！。

「子牛と　秘密の場所”　へ行こう！」。

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　作品の素材は外材を使用して、艶消しウレタンクリヤーを塗装していますので、ホコリは軽く拭き取れます。

　　《　サイズ　》
縦　６ｃｍ　・横　９ｃｍ　・高さ　２０ｃｍ

※作品は、受注制作となりますので１０日間のお時間を頂きます。