ベース布は本藍手織り木綿の古布、 パッチワーク布は葛布・葛布の織り出し布で布遊びしました。 ゴムくるみ布は手織り久留米絣です。 ＊パッチワーク布に使用している葛布について＊ 「大井川葛布」の葛布を用いています。染料は天然染料です。 葛布（くずふ）は自然布（しぜんふ）または古代布（こだいふ）のひとつです。 大陸から綿がもたらせる以前、わたし達の祖先は樹皮から繊維を取り出し衣類にしていました。

葛布は葛の茎の靱皮（じんぴ）繊維を糸にして織り上げた布のことです。 夏に自生葛の若蔓を採取し、数日発酵させた後に、清流で川洗いをして繊維を取り出します。清流に晒した葛の繊維は高潔に輝き、それはそれは美しいです。 そうして帯状になった繊維を裂いて、結んで績んで（繋いで）糸にし、手織りします。 全て人の手による、とても手間暇のかかる手仕事です。 撚りをかけない葛糸をよこ糸に使う葛布（この製品のたて糸は絹）は艶やかな光沢があります。 手間ひまかけて取り出した自然の恵みを簡単にゴミ箱行きにできない。 制作時に出る葛糸も綿繊維も、慈しむようにかき集めくっつけました。

素材の風合いを生かすため、裁断面は切りっ放し処理しています。

縫製前の広げた状態。 中央の細長い白布は葛布の織り出し部分（織り始め・終わりに布目を整える為の捨て布）で、たてよこ絹です。 さんかく布は葛布（よこ糸：葛・たて糸：絹）です。