秘密のチョコレート

熱いほうじ茶をマグに注ぐ音が響く、夜10時のダイニング・ルーム。子供は眠りにつき、夫はまだ仕事から帰ってこない…。戸棚の奥にしまっておいたイタリア産のチョコレートをつまみながら、パラパラと雑誌をめくったり、オンラインでこっそりお買い物をする、わたしだけのお楽しみ時間のはじまりです。

好きな作家さんの器も、布もオブジェも、生きていくには必須でなくとも、日常にあたたかみと潤いを与えてくれるもの。眺めるほどに、どうしても今必要なものに思えてくるのです。日々の節約モードは一旦さておいて、「たまには、いいよね」とポチっとしてしまう。そんな甘い背徳感は、チョコレートを独り占めするのにとても似ているような気がします。