ポーチ　聖書からのインスピレーション　レンゲのお花畑「野の花でさえ」

　倉庫（私の部屋）を整理していたら、ザンビアプリント（廃番） のピンク系とマゼンダ系の糸が出てきた。そもそも、この糸を買おうと思ったのは、レンゲのバッグが編みたかったから。季節的にも合うと思い、まず、試し編みでレンゲのポーチを編むことに。それがこのポーチです。ただ、私は、レンゲをまだ直接見たことはなくて、写真など、画像でしか見ていないので、まず、植物辞典を見たり、ネットでレンゲを検索したら、レンゲの群生している写真や、画像がいっぱいあって、「よし、レンゲのいっぱい咲いている、レンゲのお花畑を編もう」と。デザインはすぐ浮かんで、ベースの糸は、大人っぽくラメの入った糸にしようと。糸を選んで、早速編みながら「なんで、レンゲは、群生している画像しかないのだろう？」と、不思議に思い、ネットで検索。そうしたら、「へぇ」という事実を知った。ご紹介しますね。
　レンゲは、よく春頃に田んぼで咲いているのだそうですが、実は、田んぼを管理している農家の人が、前の年の秋頃に、レンゲの種を蒔いておくらしい。それは、レンゲに土を耕す効果があるから。緑肥というらしい。レンゲは、マメ科の植物なのだけど、根っこに「根粒」というコブがあり、ここに、「根粒菌」という細菌を住まわせて、根粒菌から、養分をもらっているそうな。根粒菌には、空気中の窒素を植物の使える形に変える能力があるらしい。レンゲは、根粒菌に住む場所と少しの養分を与えて、その代わりに肥料としての窒素分をもらう。共生関係を結んでいるらしい。そして、農家の人たちは、田植えの時に、窒素を含んだレンゲを機械で土の中に混ぜ込んで、肥料にするのだそうな。「レンゲは、田んぼの肥料だったのか！」とビックリ！さらに調べたら、岐阜県より南の方によく咲いているという記事を見つけ、東北の生まれの私は、「だから、レンゲを見かけることがなかったのかなぁ？」と納得。ただし、今は、レンゲを緑肥として使う農家さんは少なくなっているそうな。「ふうん」と。綺麗な花だと思っていたレンゲは、肥料として使われる運命にあったのか？と思い、浮かんだのが私（これでも、私、一応カトリックの信者、クリスチャンです）の好きな聖書の箇所、マタイの６章28節〜30節。抜粋して引用しますね。
「野の花がどのように育つのか、注意して見なさい。働きもせず、紡ぎもしない。しかし、言っておく。栄華を極めたソロモンでさえ、この花一つほどにも着飾ってはいなかった。今日は生えていて、明日は炉に投げ込まれる野の花でさえ、神はこのように装ってくださる」（聖書　新共同訳）
　奥が深いなぁと。肥料として使われるレンゲなのに、あんなに綺麗な花に神様は作ったのかと。しかも、生命のサイクルの中で、ちゃんと次へと命を繋いでいるのかと。レンゲもちゃんと働いてるじゃん（レンゲは、自分では何も考えていないだろうけど）。「神様、凄すぎます！」（神様がすごいのは当たり前か？）そう思ったら、編み込んでいるポーチのレンゲの花が愛おしくなってきて、「どこか、大事に思ってくださる方のところへお嫁に行くといいなぁ」と思いながら制作しました。
　ベースに使用した糸は、ダイヤシリー。ラメが入っていて、明るい春の光を感じさせる糸。編み上がりは、なめらかな感触です。花の部分は、ザンビアプリント （廃番）。混ざり糸のテープヤーンです。葉っぱは、ダイヤコルソの二本どりと、コットンコナ で。裏地はリバティのナンシー・アニマル。ピンク系で。丸底なので、物の整理もしやすいかと。このポーチは大きめです。このタイプのポーチは自分でも使っているのですが、使いやすくて、便利です。相変わらず材料費がそこそこかかっているのとお裁縫が苦手な私の腕を考慮した価格設定です。また、メンテナンスには可能な限り対応いたしますので、何かございましたら遠慮なくご連絡ください。ただし、故意によるものには対応できません。ご容赦ください。

《使用糸》 ダイヤシリー　ポリエステル37％　アクリル28％　レーヨン21％　コットン7％　
　　　　　　　　　　　　　ナイロン７％
　　　　　ザンビアプリント （廃番）オーガニックコットン100％
　　　　　コットンコナ コットン100％
　　　　　ダイヤコルソ　リネン33％　アクリル35％　レーヨン32％
《裏地》 リバティプリント（タナローン ）コットン100％
《ファスナー》YKK 国産