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本島 ゆか 本島 ゆか
2016/09/29

【作り手が知っておきたい法律】〜応用編〜

iichiでは昨年、Arts and LawというNPO団体に所属されている現役の弁護士、藤森先生と倉崎先生を講師に招いて著作権講座を開催しました。おかげさまで大きな反響をいただきましたので、この度、講座の一部をブログ記事にまとめることにしました。

前編の「〜著作権編〜」では著作権の基本から、ケーススタディまでをご紹介しました。
今回の「応用編」では著作権以外の知っておきたい法律や、契約を交わす際に気をつけたいポイントをご紹介します
※すべての記述、出典は2016年〜現在の法律に基づいています。


この記事の目次

1.著作権以外の作り手が知っておきたい法律
2.契約を交わすときに気をつけたいこと
3.最後に 〜「権利」との関わり方〜

1.著作権以外の作り手が知っておきたい法律

著作権以外に作り手のみなさんに知っておいていただきたい権利、法律は「産業財産権」と「不正競争防止法」です。この2つを知っておくと、知らないうちに第三者の権利を侵してしまうことを防いでくれたり、もしもの時に守ってくれたりします。

「産業財産権」=特許庁への出願・登録で技術や製品を守ることのできる権利

著作権は申請や登録をしなくても生まれる権利ですが、ここで紹介する「産業財産権」は特許庁への出願・登録が必要な権利です。

産業財産権には特許権、実用新案権、意匠権、商標権の4種類があります。
これらの権利は作り手や企業が編み出した独自の技術、発明を守るための権利なので、必要に応じて出願・登録を検討しましょう(※1,※2)。また、種類によって申請できる期限(例:特許は商品の発売後だと出願が困難になります)、かかる費用・時間が異なるので注意をしましょう。

※1 すでに登録されているかどうかは独立行政法人 工業所有権情報・研修館の運営する特許情報プラットホームで検索することができます。
※2 出願にあたりかかる費用については特許庁のホームページで公開されているのでご参照ください。


「不正競争防止法」=実用品も守ることのできる法律

〜著作権編〜で「実用性の高いものは著作物として認められにくい」とご紹介しました。この「不正競争防止法」は著作物として認められにくいものを、不正な利用から守る法律です。
例えば2015年6月には、ファッション通販サイトが大手アパレルブランドの洋服デザインを模倣・販売したことで、通販サイトの代表は「不正競争防止法」に違反している疑いで逮捕されました。

このように、著作物とは認められにくいものや、特許庁への出願・登録を行っていないものの場合でも、実際に商品を販売し、一定の条件(※3)を満たしている場合は「不正競争防止法」に基づいて適切な保護を受けられることがあります。

※3 条件の詳しい説明は経済産業省のホームページをご参考ください。

2.契約を交わすときに気をつけたいこと

作り手のみなさんは制作を委託する際や、出版物への掲載の際に契約を交わされることがあるかと思います。知らないうちに不利益な契約にサインをしてしまわないよう、下記の3つのポイントに注意してみてください。

✔︎POINT1 「著作権」の譲渡について確認はしましたか?

財産に関わる著作権については、売買したり、譲渡、相続ができます。
例えば、著作権を全て譲渡する契約の場合は「著作物に関する全ての権利(著作権法第27条及び第28条に定める権利を含む)を当社に対し、無償で譲渡します」といった記述があるはずです。

契約に著作権の譲渡が含まれているのか、含まれている場合はどのような条件、範囲で譲渡を認めているのかを確認しましょう

✔︎POINT2 「著作者人格権」を行使しないことになっていませんか?

上記のように著作権を譲渡した場合でも「著作者人格権」は制作者に残り続け、制作者の人格を守る働きをしています。もし、契約内容の中に「著作者人格権を行使しないことに同意する」という表記があったら、先方と契約内容を確認しましょう。

知らずに契約を交わしてしまうと、許可なく制作者名の表記方法、デザイン・表現を変更して販売されてしまったり、「自分が作ったものだ」ということを表記できなくなってしまう可能性が高くなります

✔︎POINT3 少しでも分からない記載がある場合は立ち止まりましょう

上記で紹介した「著作権の譲渡」や「著作者人格権の不行使」以外にも、少しでも分かりにくいことがあったら、その場で契約書にサインをしてしまうことは避けましょう。先方と詳細を確認し、弁護士に相談するなどしてから契約を結ぶことが大切です。

最後に 〜「権利」との関わり方〜

2本立てでお送りした【作り手が知っておきたい法律】の〜著作権編〜と〜応用編(本記事)〜は、みなさんが疑問に思っていたこと、心配に感じていたことの解決のヒントになりましたか?

講師を務めてくださった藤森先生と倉崎先生が、講座の最後に「法律について知っておくことはもちろん大切ですが、作り手のみなさんには心配しすぎることなく、前向きに制作に向き合っていただけたら嬉しい」とおっしゃっていたことが印象的でした。

法律や権利というと「訴える!/訴えられた!」という世界を想像してしまいがちですが、本来は私たちの生活や制作活動、文化の発展を願って整備されてきたものなのですね。本記事が、心配ごとなく、より前向きに制作活動を送っていただく一助になっていれば幸いです。

「Arts and Law」のご紹介
講師を務めてくださった藤森純先生と倉崎伸一朗先生が所属しているNPO団体です。
無料相談窓口の運営や団体の支援、セミナーの開催をとおして、法的な視点から作り手(クリエイター/アーティスト)をサポートされています。最新情報はArts and Lawの公式Facebookページでチェックされてみてください。

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