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【作り手が知っておきたい法律】〜著作権編〜

iichiでは昨年、Arts and LawというNPO団体に所属されている現役の弁護士、藤森先生と倉崎先生を講師に招いて著作権講座を開催しました。おかげさまで大きな反響をいただきましたので、この度、講座の一部をブログ記事にまとめることにしました。

iichiブログでは「著作権編」「応用編」の2回に分けて、作り手のみなさんに関わる権利や法律についてご紹介しています。心配事のない、より充実した制作活動を送るヒントとしてお役立ていただければ幸いです。
※すべての記述、出典は2016年〜現在の法律に基づいています。


この記事では、みなさんが耳にすることの多い「著作権」について、どのような役割を持っていて、何に対して発生するのかという基本的なことから、困ったことが起きた場合の考え方までをご紹介します。

この記事の目次

1. そもそも著作権ってなに?
2.「著作権侵害」の判断はどこでするの?
3. こんなときはどうなるの? ー自分の作品によく似た作品を見つけたー

1.そもそも著作権ってなに?

著作権をはじめとする法律や権利は、訴訟を起こしたり、権利を独占するためのものではなく、社会における表現の秩序や自由を守り、文化の発展を導くために整備されてきました。
身近なようで意外と知らない著作権の基本をおさらいしていきましょう。

著作権は作った瞬間に生まれる権利

著作権は「著作権法」という法律に基づいて定義されている権利(複製権、上映権、展示権など)の総称です。いろいろな観点から著作者(表現したひと)、著作物(表現されたもの)を守ったり、社会がスムーズに回っていくための役割を担っています。
著作権を得るために、特許庁などへ申請する必要はありません。著作権は著作権法で「著作物」と定義できるものを作った瞬間、自然に発生するものです。著作権はいまこの瞬間にも、日本全国で生まれているのですね。

作ったもの全てに「著作権」ではない!

では、実際に身の回りのどんなものが著作権を持っているのかを考えてみましょう。
作りだしたもの全てに著作権が認められたら、私たちの社会はどうなるでしょうか?

極端な例ですが、もしVネックTシャツのデザインに著作権が認められていたら、他のアパレルブランドは著作権者の許可なくVネックの服を製造・販売することができなくなってしまいます。実用性の高い衣類や日用品などに著作権が認められてしまうと、メーカーは困ってしまいますし、産業が発展しにくい社会になってしまいますね。

このように文化の発展を妨げることがないよう、著作権が認められるためには下記のような条件を満たしていることが必要です。

[著作物であるための4つの要件]
①思想又は感情を内容とすること
②創作的であること
③表現したものであること
④文芸、学術、美術又は音楽の範囲に属すること

[典型的な著作物の例]
絵画、彫刻、建築、楽曲、詩、小説、戯曲、エッセイ、研究書、写真、映画、テレビゲームなど

[著作物になりにくいものの例]
ありふれた表現、定石的な表現、アイディアや事実、データ、料理のレシピ、工業生産品、日用品など
※例外もあります。

2.「著作権侵害」の判断はどこでするの?

前項までで、著作権は認められるものと、そうでないものがあることをお伝えしました。
では、時々ニュースを騒がせる「著作権侵害」にあたるどうかは、どのような基準で判断されるのでしょうか。
「著作権侵害」だと裁判所で判断されるためには、下記の3つの条件を満たしていなければなりません。

[「著作権侵害」かどうかの判断ポイント]
条件1:先行作品が著作物にあたり、保護期間内である
条件2:先行作品と後行作品に同一性また類似性がある
条件3:後行作品が先行作品に依拠している(意図して似せた)という証拠がある

これらの条件を検討して「著作権侵害にあたるか」を判断するのは裁判所です
また、偶然の一致または類似は著作権侵害とはなりません。もしも「あなたの作品が私の著作権を侵害している!」という連絡を受けたら、心あたりがない場合は落ち着いてその旨を先方へ説明しましょう。

3.こんなときはどうしたら? ー自分の作品によく似た作品を見つけたー

著作権の基本が分かったところで、実際に起こりうるケースについて考えてみましょう。
※最終的な判断は裁判所でされるものなので、答えではなくひとつの考え方として捉えてください。

考え方:

裁判は数年の単位で続くこともあり、お金も時間もかかるケースが多いものです。長い間争っても、著作権侵害が認められないこともあります。下記のポイントをおさえて、先方へ連絡するにとどめるのか、または法的な措置まで取るのか、一度立ち止まって考えてみることが大切かもしれません。

✔︎法的に取り下げを要求するには、裁判が必要です。
「著作権侵害」として法的に出品の取り下げ(差し止め請求)を要求できるかどうかは、裁判で争わなければ分からないことです。
裁判では前述の「著作権侵害となる3つの要件」に沿って、(1)Aさんの作品が著作物として認められるか、(2)Aさんの作品とBさんの作品は類似していると言えるのか、(3)BさんはAさんの作品を真似て作ったのか、という著作権侵害のポイントが判断されます。

✔︎訴える側(原告)は「真似された」という証拠を集める必要があります。
裁判を起こす場合、著作権侵害を申告するAさん側は「Bさんに意図的に侵害された」という証拠を集める必要があります。ブログやSNS、メールなどの証拠になりうる記録は残っていますか?


次回予告-「応用編」ではその他の法律についてご紹介-

【作り手が知っておきたい法律】〜著作権編〜はいかがでしたか?著作権の基本を知る足がかりになれば幸いです。
次回の「応用編」では、作り手が知っておきたい著作権以外の法律や、契約を交わすときに気をつけたいことをご紹介します。ぜひご覧になってください。
この記事は2016年9月16日に作成されました
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