HOMEブログ 【作り手の市場流通を考える!その2】「灯しびとの集い」に行って"クラフトフェア"についてもう一度考えてみた
取材レポート
新田 晋也 新田 晋也

【作り手の市場流通を考える!その2】「灯しびとの集い」に行って"クラフトフェア"についてもう一度考えてみた

FullSizeRender(2)


こんにちは。iichiの新田です。
今回の作り手・クリエイターの市場流通を考えるブログでは、「灯しびとの集い」を訪れて改めて、クラフトフェアという場所について考えたことを書きたいと思います。

「灯しびとの集い」は、大阪府堺市の大仙公園催し広場で2日間開催されているクラフトフェアです。
2009年からはじまり、今年で7回目の開催でした。

終日雨の予報が・・・!


実は開催初日の11月14日(土)、天気予報では1日雨天のはずでした。
それが現地に行ってみてびっくり、昼過ぎまではほとんど雨がふらなかったのです!
これには出展者の方々も喜んでいらっしゃいました。

私自身も嬉しくなり、つい財布の紐が・・・

開催地の大阪府堺市にある大仙公園は、広大でとても気持ちの良い場所でした。
堺駅を降りて徒歩5分程度で、公園入り口に到着します。
そして、広々とした公園内の道を3分ほど歩くと会場となる広場があります。

現地に着いたのは午前11時、すでに子供連れのファミリーからお年寄りまで多くの来場者で賑わっていました。
飲食ブースや音楽ライブスペースもあり、楽しめる要素がぎゅっと詰まっていました。


”目利き”によって選ばれた作り手たちの共演


灯しびとの集いは、実行委員会長の辻野剛さんをはじめ、クラフトや生活雑貨を扱うショップのオーナー、プロダクトデザイナーなど、様々なプロの視点をもつ選考委員の方が、人々の暮らしに寄りそう“暮らしの道具”を軸に、出展者を選出して開催されます。

ガラス、陶磁、木工、金属、染織、様々なジャンルの100名の作り手の方々が、
大仙公園の広場にテントを構え、作品を思い思いに並べて、使い手との出会いを待っていました。

ご出展の作り手の皆さんの作品や展示を拝見していると、クラフト作品としての表現が研ぎ澄まされていて、それと同時に“道具”としての質の高さも伝わってきました。

FullSizeRender
千 sen」さんの金工の生活道具。

ききFullSizeRender のコピー
大石浩介」さんの木の器。

かわFullSizeRender
キチジツ」さんの革小物。

つFullSizeRender 2
辻 有希」さんの木のアクセサリー。


優れたクラフト品との出会いをオープンな場で楽しむ


今回会場では、"灯しびとの集い選考委員"の方々によるトークイベントが開催されており、選考会議での裏話や選ぶときの心境などについて語られていました。
そこでとても印象に残ったのは、実行委員会会長の辻野剛さんが最後に語られた、クラフトフェアの意義についてのお話でした。

ものづくりを生業としている多くの作り手は普段、全国の様々なギャラリーなどで展開しています。

ギャラリーなどに足を運ぶ方々はその作品を手にとって触れることが出来ますが、
幅広く多様な人の目に触れる、手にとってもらう、ということにはなかなか結びつきません。

しかし、野外で開催されていることによって、気軽に散歩がてらにふらりと立ち寄りやすく、また間口が広い感覚があるため、いろいろな趣味嗜好の人が一堂に集まりやすくなります。そうして気軽に訪れた場で、選ばれた良質な作品に出会うことができるのです。

いっぽう作り手にとっては、直接使い手の方と会話をするなどして、直に反応を感じることができる格好の場であり、また他の出展者との交流のなかで情報交換が行われる非常に重要な場になっています。
(一部要約)



FullSizeRender(1)


たしかに、灯しびとの集いは、目利きの視点で選ばれた優れた作り手が集う場でありながら決して閉鎖的ではなく、クラフトフェアならではの開かれた空気感・解放感が大切にされていて、二つの感覚が絶妙に共存しているように感じました。


クラフトフェアの役割を再考する


実行委員会会長の辻野剛さんは、
約7年前に始まった当初のブログ記事で、「10年後のこと...」として、このようなことをおっしゃっています。

人が使う道具を「人が手を使って作る」という極めてシンプルでリアルな営み。
これを通じて人が人を理解し、感性や価値観を分かち合う。小さな作業かもし知れないですが、
しかしながらこれでも社会を強くするという効果は必ずあると信じています。
夢はイベントを成功させることでは無く、その先にある今よりもちょっと良い社会を見る。ということです。


そしていま、暮らしを見つめ直そうとする考えやそれに付随する価値観が浸透しつつあるように感じられます。
そういった変化を象徴するかのように、クラフトやハンドメイドというものは、着実に広がってきています。

しかしながら、辻野さんは”ブーム”にはしたくないという思いが強く、その理由はブームが過ぎ去った後の衰退を恐れていたからなのだそうです。
そして月日が経ち、クラフトを取り巻く現状を垣間見ながら、
今回の2015年開催を振り返るメッセージの中で、こうおっしゃっています。

その事実は直面してみればそれほど怖いことではありませんでした。(中略)社会的なブームによって関わる人が増える。これはクラフトそのものの層に厚みが増し、そのことでより優れた物を選りすぐる場所が豊かになる。始まりと終わりをできるだけ多く巻き込んでいくことでクラフト全体が活性を保ち、それぞれの気持ちがクラフトの世界をかたちづくる。その側に「灯しびとの集い」はずっとあり続けたいと願います。



「灯しびとの集い」という場所は、まるで作り手が手仕事でものを生みだす過程のように丁寧に、その感触を確かめながら広がっていく価値観だったからこそ、その思いがしっかりと根を張り、人々に伝わっていったのだと思います。
そして、選べる”目”を着実に育むことが「灯しびとの集い」というクラフトフェアの役割なのだと感じました。


”クラフトフェア”とはひとくちに言えても、それぞれ違った役割や考え方や目的を持っています。
しかし、その場を通して伝えられた思いが人々の生活の中に灯され、またふたたび同じ場に集い、そこで新たな広がりをつくっていくという道程は同じなのではないかと思います。

今回”灯しびとの集い”に行ってみて改めて、クラフトフェアが持つ意味を再認識し理解が深まりました。
それと、「伝わる」ということ、そしてそれが「広がる」ということを
芯から見つめ直すことができた気がします。



やっぱりクラフトフェアは、良いですね・・・!
来年も必ず大阪に行きたいと思います!

ご興味ある方は、来年ぜひ応募してみてください。
会場でお会いできるのを楽しみにしています!


「灯しびとの集い」
大仙公園催し広場 (堺市堺区百舌鳥夕雲町)

主催 灯しびとの集い実行委員会
公式HP
公式Facebookページ 
公式Twitter

この記事は2015年11月26日に作成されました
このエントリーをはてなブックマークに追加

取材レポートの最新記事

  1. 取材レポート

    【イベントレポート】クラフトフェアまつもと2018

  2. 取材レポート

    イベントレポート「二子玉川クラフトフェア」〜みんなどうしてる?展示販…

  3. 取材レポート

    イベントレポート「クラフトフェアまつもと2017」〜繋がり開かれるク…

  4. 取材レポート / スタッフブログ

    【作り手の市場流通を考える!その3】iichi講座を通して考える「百…

このカテゴリーの記事一覧へ

おすすめの記事

  1. iichiガイド

    プロフィールを書く時の4つのコツ

  2. iichiガイド

    【その4】写真の撮り方教室[作品への光の当て方]

  3. iichiニュース / スタッフブログ

    Pinkoiとの資本業務提携について【代表ブログ】

  4. iichiガイド / スタッフブログ

    魅力的なショップづくりのポイント〜アイドマの法則〜

このページのTOPへ

パスワードを忘れた方はこちら

ログインできない場合はこちら

携帯のメールアドレスにて登録される場合は、
ドメイン iichi.com より受信できるよう、
メール設定の見直しをお願いします。ドメイン指定受信について
iichiの利用規約およびプライバシーポリシーをお読みいただき、
同意される方のみ「同意して会員登録する」ボタンを押してください。