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帽子に詰まった出逢いたち。

こんにちは、藤本あやです。
このインタビューは、「iichi presents 湘南ものづくりトーク」というラジオの番組内で伺ったお話を元に連載しています。

毎回、湘南エリアで活躍されている作り手の方をお呼びして、ものづくりに関するお話を伺っていきます。iichi presents 湘南ものづくりトークについて、詳しくはこちら(過去の放送もお聴きいただけます)
前回のインタビューページはこちらです。 

今回のゲストは帽子作家の黒田真琴(クロダ・マコト)さんです。今回は茅ヶ崎にあるアトリエを訪ねました。ぜひ、ラジオと合わせてお楽しみください。

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黒田さんは、普段は茅ヶ崎のアトリエで帽子づくりをされています。黒田さんがつくられる帽子が生まれる場所からは「旅」の雰囲気を感じます。旅先で見つけた素材や大切にしている道具も見せていただきました。

以前は鎌倉にアトリエがあったのですよね? 先日伺わせていただいた茅ヶ崎のアトリエもとても素敵でした。

そうですね。以前はアトリエ兼ショップだったのですが、今は茅ヶ崎にある自宅のアトリエで制作をしています。アトリエには「パハロ」という名前をつけています。
「パハロ」とはスペイン語で「鳥」という意味です。私もいろんな場所に旅をしているので「いつも自由に、はばたく鳥のように」という希望をこめて名づけました。

アトリエには黒田さんがいろんな国を旅する中で見つけてきた糸やビーズ、道具なども大切に保管されていましたね。これまでの旅でどんな出会いがありましたか?

旅先では、あまり行く先を決めないで自由に町を歩いて見つけた小さな手芸屋さんやフリーマケット、蚤の市で見つけたりしています。ほんとうに、のんびりと旅をしながら見つけた物が多いですね。滞在期間もあまり決めていませんが、一番長い時では7ヶ月ほど滞在していました。私は1カ所に長く居たいと思っているので最低でも1ヶ月くらい時間があるといいなと思っています。

旅先でのエッセンスというか、黒田さんが見て感じたことや発見したことも帽子の中に表れていますよね?

そうですね、日本国内も海外もどちらも好きなんですが。
旅先で見た色や空気を出そうと思ってつくっているというよりも、自然と中に入ってきているという感じです。楽しい色合いやパーツから、世界のエッセンスが入っているといいなとは思っています。この素材をこうやって使うんですか?と驚かれることもありますね。

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黒田さんが普段、かぶっている帽子も黒田さんの作品ですか?

はい、もちろんそうです。今かぶっている帽子は別にブローチがついているんですが、このブローチも見つけた石やビーズを使っていて。モロッコやイタリア、アフリカ、フランスのボタンなど、いろんな素材を組み合わせて使っています。

なぜ帽子だったのでしょう? 帽子以外のものを作られることはあまりないということでしたが。

帽子が一番好きなんです。何より愛嬌があるし、いつもの格好も、帽子ひとつで変わるという楽しみもありますよね。
売っているものの中に好きな物がなくて、最初は自分のためにつくっていたんです。作り初めの頃は特に見よう見まねでつくっては失敗しながら、新しい発見をしていましたね。コラボレーションという形で帽子ではないものをつくることもありますが、基本的には私がつくるオリジナルの帽子は敢えて同じ物をつくりたくないと思っています。

いろんな国の素材が使われていて素敵ですよね。夏はニット、冬はラフィアなど素材が変わっていくのですよね?

そうですね、シルクでできている帽子もあります。フランスの麻素材も使用していますね。夏はラフィアなどのパルプからでできているものや、和紙や麻、コットンという素材も使ってつくっています。 帽子の各所に様々な土地の素材が使われていたりしますね。

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帽子のつくり方について、デザインしたり型紙をつくったりはされないそうですね。

そうですね、その素材を1番いい形で活かしていくというのを大切にしているので。あまり最初から先に決めてしまうと自由な感じがなくなってしまうんです。そのとき手の赴くままにつくっています。

手の中で形が立ち上がっていくというか、きっとつくり手として変化を楽しむ時間でもありますよね。編み目の変化を想像すると楽しくなります。

はい、同じ物を何個もつくるよりも、違うものをつくっていくほうが、その方だけの帽子になるというのもありますし。わたし自身もつくっていて「楽しい!」と感じる気持ちも伝わると思うんですよね。一点ものでもあるので、そこがいいと思っています。
帽子をかぶってくださっているお客さん同士が、知らない人同士なのに道ばたで偶然出会って声をかけあったいう話をすごくよく聞くんです。それはすごく嬉しいですね。そこで新しい物語がはじまっている気がしていて。

奇跡的で素敵な出会いですね。帽子をつくったときに、「これはこの人の帽子だ!」と思うことはありますか?

ありますよ、やっぱり。「なかなか、この子は旅立っていかないな」という帽子があったりするんですが。展示会をしている時などは、展示会の最終日になって買い求めてくださる方がいて。「ああ、あなただったんですね」と思うことがよくあります。
だから、旅立つ・旅立たないというのは余り気にしていなかったりします。つくりながらなんとなく「あなたは、どの方の元にいくのかしら?」と思ってもいるので。何かご縁が必ずあるのではないかなと思っています。 旅立ちの瞬間を見届けるのが面白いです。その方と日常に溶け込んでいくというか。その人だけの物になるところが1番嬉しいです。

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また街角で出会うかもしれませんしね(笑)ご自身で素材を染められることもあるのだとか。

奄美大島に旅をしているときに、「泥染」という技法があるというのを知ったんです。友人に聞いて、そういう染めの工房に案内してもらって染めることができました。大地の色というか、すごく自然の色で。染めるのに時間がかかって大変でしたが、少しでも旅のエッセンスを入れられたらいいなというのもあって。国内と国外問わず自分で染めるということもやってみました。

トランク一杯に毛糸を入れて染めに行く時のワクワク感はすごいでしょうね。

奄美大島の技術というのは、着物の大島紬などに使われている技術なので、あまり毛糸には向いてないという話だったんです。本当に毛糸には色が入っていかなくて大変でした。でも、やってみるということが大事だと思うので。日本の伝統技術でもあるので、少しでも経験できてよかったですね。

黒田さんの帽子の発色はすごくきれいですし、自然由来の色や、各素材の色合わせも特徴がありますよね。

色の組み合わせは大切にしていますね。かぶって楽しくなる帽子をつくっていきたいと思っています。

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黒田さんのアトリエでは、インタビューの際に「ものづくり」をしているお部屋も見せていただきました。旅をしながら大切に集めてきた宝物のような素材が美しく納められていて、つくっている途中の帽子も見せていただきました。黒田さんのアトリエからどんな帽子が生まれていくのか、これからも楽しみですね。

どうもありがとうございました!

 

ライター:藤本あや
鎌倉を拠点に、KULUSKA(クルスカ)というユニット名で活動している。自身でも「ものづくり」をする傍ら、全国各地を旅して出会った作り手やその地域の魅力を伝えようと、取材やイベントの企画・運営の活動も行う。湘南ビーチFMで放送中のラジオ番組「iichi presents 湘南ものづくりトーク」でパーソナリティを務めており、番組内で作り手の方に伺ったお話を元にiichiブログでインタビューを連載中。 
この記事は2014年6月23日に作成されました
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